去年の「工作あそびフェスティバル」で「おばけやしき」を担当し、子どもたちともに怖〜〜い世界を創り上げた手腕をこの日も発揮。教室という場所を活かして、入り口から会場に入る通路、話を聞く会場セッティングまで、こだわり抜いた演出が施されています。参加した子によっては、入り口を見ただけで、「やっぱりやめる!」と言い出した子も。
案内された子どもたちは会場に丸く置かれたキャンドルの後ろに輪になって座ります。輪に隙間があると、そこにオバケが座ると言われ、当然きゅっとくっつきます。この職員の怖い話の醍醐味は、物語を読むのではなく、自分の作品として語るところです。ここもさすがアーティスト! 普段のにぎやかさは陰をひそめ、ピンと張り詰めた緊張感と静けさのなか、語りが進んで行きます。そして最後に、「本当にオバケがいるかバケタン(オバケ探知機)で調べてみよう」と言って、スイッチを押してみると、赤いライトが点滅。その瞬間、光をさえぎるために窓に貼られた黒い紙の一枚が剥がれ始めました。まさにオバケの仕業、怖〜〜いよ〜〜! ついに子どもがふたり、1年生の女子と2年生の男子が泣き出しました。なんて素晴らしい感性でしょう!
あまりに怖がるので、職員は「怖いときは笑えばいいよ。そうするとオバケがいなくなっちゃうよ。『トトロ』でおとうさんがそう言ってたよ」と話しました。それで子どもたちは一安心。余談ですが、なんとその日の夜、テレビで『トトロ』が放映されたそうです。これも運命のいたずらでしょうか。各定員20人の3回公演。限定60人の子どもたちが、リアルに恐怖を楽しみました。
夏休みは朝から夕方まで、たっぷり時間を使える子どもたちにとっては貴重な時期です。
来年も、笑い・涙・ワクワクといった様々な感情を掘り起こすようなイベントを企画して行きたいと思います。